お知らせ

モーリシャス事故現場の2020年8月時の状況について

2020.11.17

 株式会社天の技(読み:あまのぎ、本社:東京都大田区、代表取締役:工藤裕)は、海洋ごみ・海洋汚染モニタリング事業の一環として開発していた複数衛星画像を同時解析する手法等を用いて、モーリシャス重油流出事故現場の2020年8月時の状況について、調査を実施いたしました。今後も様々な衛星を用いた重油流出状況や漂着監視技術の開発に取り組み、事故現場の状況把握等に貢献していきます。なお、この取り組みは、日本財団、一般社団法人日本先端科学技術教育人材研究開発機構 (JASTO)、株式会社リバネスが共同実施する海洋ごみ削減とビジネス創出を目指した「プロジェクト・イッカク」の一環で実施しています。

 弊社はプロジェクト・イッカクにおいて、複数の衛星画像を用いた海岸漂着ごみモニタリング技術を構築しています。前回の報告(https://amanogi.space/2020/09/01/mauritius-oil-spill-monitoring-20200901/)に引き続き、8月中の重油漂流状況について解析を行いました。その結果、後述する通り、SAR衛星で定期的な撮影を行うことで重油の広域な漂流状況をモニタリングできる可能性が示唆されております。

【SAR衛星画像の解析例】Image © 2020 ICEYE Oy
赤部が拡散した重油の想定領域、緯度経度情報への変換等を実施

今後の方針|引き続き解析とデータ収集を行い、プロジェクト・イッカクの関係各社や、本件への対応を検討している団体などと協力関係を構築し、本事故への環境への影響解明や、早急な回復へ貢献することを目指します。

用語解説
 SAR:合成開口レーダー(Synthetic Aperture Radar; SAR)
通常の可視光よりも長い波長を持つマイクロ波を活用する。雲を透過することができ、天候に関係なく画像を得ることができる。衛星が移動しながらマイクロ波を照射し、その反射光の情報を合成していくことで分解能を向上させている。

衛星データの主な提供元
ICEYE社| https://www.iceye.com/

プロジェクト・イッカクについてhttps://ikkaku.lne.st/
 この取り組みは日本財団、一般社団法人日本先端科学技術教育人材研究開発機構 (JASTO)、株式会社リバネスが共同実施する「プロジェクト・イッカク」の一環で実施するものです。本プロジェクトは、海洋ごみ削減とビジネス創出を同時に実現する事業モデル構築を目指し、ベンチャー企業を中心とした超異分野チームを組成して推進しています。


●Debris Watchersについて|https://coastal-cleanup-satellite-drone.com/
 海洋ごみ、特に漂着ごみの分布や種別情報は、その回収装置や計画を開発、検討するために重要になると考えます。そこで沿岸部のゴミ漂着状況を、衛星、ドローン及び定点観測装置等を用いた、長期・網羅的な観測及び詳細分析が可能な海ごみ診断システムの開発を行います。将来的には、地球レベルでの効率的なゴミ回収・漂着予測の実現も目指します。

株式会社天の技 について
所在地 :東京都大田区北馬込1-1-13
代表者 :代表取締役 工藤裕(くどうゆう)
設立 :2018年
主な事業内容 :宇宙機器、造形装置、映像・音響機器等の精密機械器具に関する設計開発・試作販売、データ解析・可視化技術の研究開発およびソフトウェアの開発と販売、教育事業
URL                    :https://www.amanogi.space/

以上
本件に関する問い合わせ先
Email: contact@amanogi.space
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